「コンコン、ゼーゼー……」
夜中、静まり返った部屋に響く息苦しそうな咳。
先日、1歳になったばかりの息子が「ヒトメタニューモウイルス」にかかり、39度を超える高熱を出しました。薬のおかげで無事に平熱へ戻り、咳を残しつつも元気を取り戻してくれたのですが、看病をしながら私はある「強烈な恐怖の記憶」を思い返していました。
それは、息子が生後4ヶ月の時にかかった「RSウイルス」の悪夢です。
当時も高熱とひどい咳、そして溢れ出る鼻水に襲われました。特に夜、横になって寝ている息子は自分の鼻水で喉が詰まり、まるで「水の中で溺れている」かのように苦しそうに息をしていました。胸が押し潰されるような思いで、一刻も早く朝になるのを祈るしかなかったあの夜の恐怖は、今でも忘れられません。
しかし、初めて小児科の先生に診てもらった際、私たちは予想外の言葉を耳にします。
「この月齢でRSにかかるともっと重症化するはずですが……想定より軽いですね。本来なら即入院レベルですが、今の状態なら通院で経過観察にしましょう」
結局、悪化することなく10日ほどで無事に回復。そして回復後、妻と「なぜあの月齢で入院せずに済んだのか?」を振り返った時、ある「ひとつの決断」に思い当たりました。
それは、妻が妊娠中に約3万円の自費を払って接種していた「RSウイルスの母子免疫ワクチン(アブリスボ)」です。
結論から言うと、我が家はこのワクチンのおかげで我が子の命と健康を守り、入院という大きな精神的・経済的負担を回避することができました。
そして何より伝えたいのは、「僕たちの時は自費3万円だったこのワクチンが、現在は定期接種(公費負担)になり、原則無料で打てるようになった」という事実です。
この記事では、生後4ヶ月のRSウイルス感染から無事回復するまでのリアルな経過と、医師も認めた母子免疫ワクチンの劇的な効果について、実体験をベースにお伝えします。これから出産を迎えるプレママ・プレパパの参考になれば幸いです。
第1章:生後4ヶ月でRSウイルス発症。息ができない恐怖と、小児科医の「違和感」
突然の熱と、夜中に響く「ジュクジュク」という呼吸音
あれは息子が生後4ヶ月を迎えたばかりの時期でした。
最初は「ちょっとコンコンと咳が出ているな」「鼻水が少し出ているな」という、どこにでもある風邪の引き始めのような症状でした。
しかし、その日の夜から一気に状況が一変します。
38度台後半の発熱とともに、今まで聞いたこともないようなひどい咳が出始めました。さらに恐ろしいのは「鼻水」です。
赤ちゃんの鼻腔はとても狭く、自分で鼻をかむこともできません。奥の方でドロドロの鼻水が詰まり、息を吸うたびに「ジュクジュク、ゼーゼー」と苦しそうな音が部屋に響き渡ります。
特に横になって寝かせようとすると、自分の鼻水が喉に落ちてきて呼吸が上手くできず、息が詰まって目を覚ましてはギャン泣きするという状態が何度も繰り返されました。
「息が止まってしまうんじゃないか……」
暗い部屋で、息子を縦抱っこしながら背中をさすり続けるしかなく、夫婦ともに一瞬も気が休まらない恐怖の夜を過ごしました。
検査で「RSウイルス陽性」。しかし医師が漏らした「違和感」
翌朝一番で、かかりつけの小児科へと駆け込みました。
細い綿棒で鼻の奥を拭う迅速検査を実施。待合室で不安に押しつぶされそうになりながら待つこと数分、呼ばれた診察室で医師から突きつけられたのは、くっきりと反応が出た「RSウイルス陽性」の診断結果でした。
RSウイルスといえば、2歳までにほぼ100%の子どもがかかると言われているポピュラーなウイルスですが、「生後数ヶ月の乳児」がかかると細気管支炎や肺炎を引き起こし、重症化して即入院になるケースが非常に多いことで知られています。
「生後4ヶ月でRSウイルス陽性……やっぱり入院になるのだろうか」
絶望的な気持ちで先生の指示を待っていた私たちですが、改めて胸の音を聞き、酸素飽和度(SpO2)を確認した小児科の先生は、どこか首をかしげるような表情でこう言いました。
「うーん……間違いなくRSウイルス陽性ですね。ただ、この月齢(生後4ヶ月)でかかったにしては、症状が妙に軽いですね」
先生によると、生後4ヶ月ほどの乳児がRSウイルスにかかると、自力で呼吸するのが困難になり、酸素投与や点滴のために「即入院」となるケースがほとんどなのだそうです。
「本来なら紹介状を書いて大きな病院に入院してもらうレベルですが……胸の音もそこまで悪くありませんし、息苦しさはあるものの自力で呼吸できています。これなら入院ではなく、ご自宅での通院治療で経過観察にしましょう」
入院を覚悟していた私たちは、胸を撫で下ろすと同時に、ふと大きな疑問が浮かびました。
「なぜ、生後4ヶ月という一番重症化しやすいリスクの高い時期なのに、息子の症状は『軽症』で済んでいるのだろう?」
この疑問の答えこそが、妻が妊娠中に受けていた「あの選択」だったのです。
第2章:【真相】効果を実感!妊娠中に打った3万円の母子免疫ワクチン(アブリスボ)
なぜ生後4ヶ月の重症化を防げたのか?
小児科の先生が首をかしげた「生後4ヶ月なのに、なぜ入院せずに済むほど軽症なのか?」という疑問。
診察室を出た後、妻と顔を見合わせ、真っ先に思い浮かんだのが「アブリスボ(母子免疫RSウイルスワクチン)」の存在でした。
アブリスボとは、妊娠中(妊娠24週〜36週)のママが接種することで、母体で作られた抗体を胎盤経由で赤ちゃんに移行させ、生まれた後の赤ちゃんをRSウイルスから守るという新しい仕組みのワクチンです。
妻が妊娠していた当時、このワクチンはまだ発売されたばかりで認知度も低く、定期接種(公費負担)ではなく「全額自己負担の任意接種」でした。
費用は1回あたり約3,0000円。決して安い金額ではありません。
「3万円」の決断。それでも妻が接種を選んだ理由
当時、我が家にはすでに上の子(長女)がおり、幼稚園(満3歳児保育)に通っていました。
幼稚園や保育園等に通う上の子がいる家庭では、外から様々なウイルスを持ち帰ってくるリスクが跳ね上がります。特にRSウイルスは感染力が非常に強く、生まれたばかりの赤ちゃんへの感染を防ぎきることは至難の業です。
「もし生後間もない下の子に感染して、重症化して入院になってしまったら……」 「赤ちゃん自身の苦しみはもちろん、付き添い入院で上の子のケアや生活が破綻してしまうかもしれない」
妻と何度も話し合い、「3万円という出費は痛いけれど、万が一重症化して入院になった時の医療費や付き添い負担、何より赤ちゃんの命と健康を守るための『安心料(保険)』だと考えよう」と決断し、妊娠後期に産婦人科で接種を受けました。
医師も納得の「抗体」のパワー。3万円の価値は十分すぎるほどあった
小児科での診察後、改めて先生に「実は妊娠中に母子免疫ワクチン(アブリスボ)を打っていたんです」と伝えると、先生は非常に納得した様子で頷かれました。
「あぁ、なるほど!アブリスボを打たれていたんですね!だから抗体がしっかり働いて、本来なら重症化して入院するレベルの感染だったのに、これだけの軽症で留まっていたんですね。お母さんの抗体が効いていて本当に良かったですね」
その言葉を聞いた瞬間、夫婦で鳥肌が立ちました。
もしあの時、「3万円は高いから」と接種を見送っていたら……。 今頃、息子は小さな体に管を繋がれ、大きな病院で入院生活を送っていたかもしれません。
生後4ヶ月の息子の命を守り、入院という過酷な事態を回避できたことを考えれば、あの時払った3万円には「値段つけられないほどの価値」があったと心から実感しました。
第3章:【朗報】現在は定期接種(公費負担)で原則無料に!プレママ・プレパパへ伝えたいこと
我が家の時は自費3万円……でも、今は公費で打てる!
ここまで我が家の「3万円の決断」についてお伝えしてきましたが、最後にこれから出産を迎える皆さんに一番伝えたい非常に重要なニュースがあります。
我が家が接種した当時は全額自己負担(約3万円)の任意接種でしたが、現在は制度が改定され、アブリスボ(母子免疫RSウイルスワクチン)は定期接種(公費負担)の対象となっています。
つまり、対象となる妊婦さんであれば、原則として自己負担なし(無料)でこのワクチンを接種することができるようになったのです!
(※お住まいの自治体や医療機関によって一部手続きが異なる場合があるため、妊婦健診で通われている産婦人科で確認することをお勧めします。)
我が家としても「3万円払ってでも打って本当に良かった!」と心から思っている神ワクチンが、今は無料で受けられるようになったのは、これから赤ちゃんを迎えるご家庭にとって本当に素晴らしいことです。
これから出産を迎えるプレママ・プレパパへのアドバイス
特に以下のようなご家庭には、アブリスボの接種を強くおすすめしたいです。
- 上に保育園や幼稚園に通うお兄ちゃん・お姉ちゃんがいるご家庭 (※外からのウイルス持ち込みを完全に防ぐのは不可能です)
- 秋〜冬〜春先にかけて出産予定の方 (※RSウイルスの流行期と重なるためリスクが高まります)
- 赤ちゃんが入院になった際の仕事や家事の回らなさに不安がある方
もちろん、ワクチンを打ったからといって「100%感染を防げる」わけではありません。我が家の息子も実際に感染はしました。
しかし、「感染しても重症化を防ぎ、入院を回避して自宅でケアできるレベルに留めてくれる」という効果は、当事者として身をもって実感しています。
妊婦健診の際に、ぜひパートナーや産婦人科の先生と「RSウイルスの母子免疫ワクチンについて」話題にしてみてください。
まとめ:お母さんからもらった最高のプレゼント。ワクチンの選択で愛する我が子を守ろう
生後4ヶ月という一番かかってほしくない時期に訪れた、息子の「RSウイルス感染」。
息苦しそうに苦しむ姿を見るのは本当に胸が痛むものでしたが、妻が妊娠中に打ってくれたアブリスボのおかげで、重症化することなく無事に10日ほどで元気な笑顔を取り戻してくれました。
子育ては、毎日が想定外のトラブルやバグの連続です。
しかし、この母子免疫ワクチンのように「事前に知識を持ち、適切な対策(予防策)を打っておくこと」で、最悪の事態(重症化や付き添い入院)を回避できるケースもあります。
この記事が、これから生まれてくる大切な赤ちゃんの健康を守るため、そしてご家族の笑顔と平穏な日常生活を守るためのひとつのヒントになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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